ぼくのばあさん

節分の日の朝、ばあさんが亡くなりました。
大正10年生まれの94歳でした。
ぼくのばあさんは いわゆる日本の『おばあちゃん』とはかけ離れたハイカラな人です。
朝は『グッドモーニング!』と遅めに起きてきてトーストとコーヒーで朝食をすませ、タバコを燻らす。瞑想をする。
ちなみに「ありがとう」は『センキューベリーマッチ』か『ダンケシェーン』。
とても小柄だけど元々は体育の教師で運動は何でもこなします。
ぼくが小さい頃はエアロビクスに社交ダンスにゲートボール、水泳はマスターズの大会の記録を持っていたんじゃないかな。
遠泳をしに佐渡ヶ島や海外にもよく行ってました。
手土産にメダルをジャラジャラ持って帰ってきます。
ぼくの最初の野球の相手もばあさんでした。
家事をしているイメージはあまりないですが、お母さんの帰りが遅い日だけは夕飯を作ってくれました。
料理は得意だというけれど、作るのはいつも『鮭のムニエル』一品でした。
お母さんがいない寂しさもあったのかもしれないけど、ぼくはあのバターの香りが苦手でした。
海外旅行が好きで、歌が好きで、スーパーマリオが好きで、炭酸が好きで、ステーキが好きで、動物が好きで、子供が好きで。
ぼくは褒められた記憶しかありません。
ぼくがのんびり、おっとり育ったのはきっとばあさんのおかげです。
ここ数年は骨折を機に病院かホームで暮らすようになりました。
たまに会うとよく泣いていました。
『こんなばあさんのために遠くまで来てくれて…』
最近はぼくのことはハッキリは分かっていなかったと思います。
新しいもの、ハイカラなものが好きなばあさんは長生きをしてたっぷりと色んなものを見たんだと思います。
でもそろそろじいさんや、ぼくのお父さんが寂しがったんだと思うんです。
今ごろ三途の川を悠然と泳いで渡っているのかもしれない。
ゴーグルとスイミングキャップをかぶって。
カテゴリー: memo

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